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2018年11月13日 東京都市大学APシンポジウム『改めて、学修成果の社会への提示とその意義を考える』

21 11月 18
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  1. 日 時 平成30年11月13日(金) 13:00〜17:00
  2. 場 所 東京都市大学世田谷キャンパス2号館1階21C教室
  3. プログラム
  • 開会挨拶 東京都市大学 学長 三木 千壽 氏
  • 基調講演「学修成果に基づく学位プログラムの設計と教学マネジメントの在り方」(九州大学 教育改革推進本部 教授 深堀 聰子 氏)
  • 取組報告①「主体的学修と卒業時の質保証の実現に向けて」(東京都市大学 副学長(教育担当)/教育開発機構長 皆川 勝 氏)
  • 取組報告②「プレ・ディプロマ・サプリメントによる学生のキャリア形成と成長支援」(東京都市大学 教育開発室員/学生支援部部長 住田 曉弘 氏)
  • APテーマⅠ・Ⅱ複合型選定校 取組報告「玉川大学における教育改革」(玉川大学 教学部長 稲葉 興己 氏)
  • パネルディスカッション

河本 達毅 氏(文部科学省 高等教育局大学振興課 大学改革推進室改革支援第二係長)

深堀 聰子 氏(九州大学 教育改革推進本部 教授)

稲葉 興己 氏(玉川大学 教学部長)

松本 良平 氏(株式会社NTTデータ 公共・社会基盤事業推進部 営業推進部長)

皆川 勝 氏(東京都市大学 副学長)住田 曉弘 氏(東京都市大学 学生支援部部長)

    • 閉会挨拶
    • 情報交換会

開会にあたり、東京都市大学学長の三木 千壽 氏より、どのように教育の実効を上げるか、単位を集めれば卒業できるのではなく、真の実力をどう育成するか等、教育について共有する場にしてほしいとの挨拶がありました。

引き続き、九州大学 教育改革推進本部の深堀氏より、「学修成果に基づく学位プログラムの設計と教学マネジメントの在り方」と題して基調講演があり、現在の学修成果の評価において「学位プログラムレベル(より抽象的)」の評価と「授業科目毎の学修成果(より具体的)」の評価が混同されており、足し算して全体の評価を行うのではなく、それぞれ分けて評価し、繋ぐことの重要性を指摘されていました。それを実現するためには、京都大学 松下氏のPivotal Embedded Performance Assessment(PEPA)が有望な方法論であると紹介されました。次に、ディプロマ・サプリメントについて言及があり、元々は学位プログラムが欧州における資格枠組みの中でどのような位置づけにあるか(学位の性質、制度的位置づけ)を示すものであり、現在の日本のように個々人の学修成果の達成度を社会に提示するものではないと指摘しました。日本版ディプロマ・サプリメントは世界に先んじた取り組みであり、学修成果の社会への説明性の面で有益であるものの、国際通用性を担保するためには欧州版ディプロマ・サプリメントも将来的に必要とのことでした。特に日本版ディプロマ・サプリメントについては欧州版との特徴の違いから、「総括的成績評価」等の呼び名がふさわしいのではないか、と提案されました。

東京都市大学取組報告①では、東京都市大学 副学長の皆川氏より「主体的学修と卒業時の質保証の実現に向けて」と題して報告があり、AP事業の全体像として、1)初年次教育に力を入れ、2)卒業研究評価の標準化と他科目への反映、3)学修プロセス・評価・成果の見える化、の3つの柱をご紹介いただきました。特に卒業研究ルーブリックについては、科目成績分布の開示を通して成績分布の差が大きいことが判明したことから、評価項目の標準化の必要性を強調されていました。

東京都市大学取組報告②では、東京都市大学 教育開発室員の住田氏より「プレ・ディプロマ・サプリメントによる学生のキャリア形成と成長支援」と題して報告されました。プレ・ディプロマ・サプリメントは、従来のディプロマ・サプリメントが卒業時に学修成果を確認できるものであることと区別して、学年進行毎に学生自身が学修成果を振り返り、低学年からPDCAサイクルを回すことを促すために開発されたとのことでした。具体的なキャリア開発のPDCAのフレームワークとしては「自分を知る」「社会を知る」「自分を磨く」を循環させるモデルが想定しており、将来的には職種毎の先輩達のディプロマ・サプリメントをモデルとして見せられるようにすると説明がありました。

APテーマⅠ・Ⅱ複合型選定校 取組報告では、玉川大学 教学部長の稲葉氏より、「玉川大学における教育改革」と題して、単位制度の実質化やアクティブ・ラーニングの促進、学修成果の可視化について報告があった。単位制度の実質化に関しては、半期の上限単位数を20単位から16単位へと減らし、教職員・学生に対してもその意味を理解してもらうように取り組まれており、空き時間には教員が学生の学修支援をするようにしているとのことでした。また、教員の担当コマ数も2単位科目×5科目以内を上限として空き時間を作り、授業準備、研究の時間をとれるようにし、時間割は職員が学生の要望を中心に全て作成し、教員は関わらないようにしているとのことでした。アクティブ・ラーニングや学修成果の可視化を促進するための取り組みとしては、アクティブ・ラーニング・ワークショップ、ルーブリック・ワークショップを開催しており、アクティブ・ラーニング事例報告会も各学部で実施していると説明があった。

パネル・ディスカッションでは、学修成果の測定の妥当性・信頼性についても議論がなされ、学修成果として従来のペーパーテスト等の客観的評価に加え、どの程度能力の定性的評価を取り入れるのかについても積極的な議論が展開され、測定できるものとできないものを区別し、測れないものへの労力によってできなくなることとのバランスを考慮する必要性が確認された。これに関連して文部科学省の河本氏より、学生・教員・職員が主体的になれる仕組みを用意することが質的転換のポイントであり、そのプログラム評価は必要であるものの、必ずしも全てを評価する必要はないことの説明がありました。