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平成30年度 高知大学AP事業シンポジウム&ポスターセッション「卒業後につながる学びの質保証〜求められるコンピテンシーとは〜」参加報告

07 12月 18
ap_kanrisya
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  1. 日 時 平成30年12月7日(金) 12:00〜17:30
  2. 場 所 高知市文化プラザ かるぽーと 小ホール
  3. 参加者 近藤 亮介
  4. プログラム
    • 開会挨拶 高知大学 学長 櫻井 克年 氏
    • 基調講演Ⅰ『コンピテンシー vs. コンテンツを越えて』(京都大学 高等教育研究開発推進センター 松下 佳代 氏)
    • 基調講演Ⅱ『改めて「入り口から出口まで質保証の伴った大学教育」とは』(文部科学省 高等教育局大学振興課 河本 達毅 氏)
    • 基調講演Ⅲ『人生100年時代における学び方と働き方』(経済産業省 経済産業政策局 産業人材政策室室長補佐 川浦 恵 氏
    • AP事業テーマⅤ 幹事校挨拶(日本福祉大学 常務理事・副学長・AP事業推進本部副本部長 斎藤 真左樹 氏)
    • 高知大学取組報告(高知大学 副学長(教育担当)小島 郷子 氏/ベネッセ教育総合研究所 高等教育研究室長 木村 治生 氏)
    • パネルディスカッション 第1部 「大学での学びから社会へ」

<モデレータ> 高知大学学生

<パネリスト> 豊田 義博 氏(リクルートワークス研究所 主幹研究員・高知大学客員教授)

    • パネルディスカッション 第2部 「社会で求められるコンピテンシーから見た学びの質保証」

<パネリスト>

松下 佳代 氏(京都大学 高等教育研究開発推進センター)

河本 達毅 氏(文部科学省 高等教育局大学振興課)

川浦 恵 氏(経済産業省 経済産業政策局 産業人材政策室室長補佐)

豊田 義博 氏(リクルートワークス研究所 主幹研究員・高知大学客員教授)

奥田 一雄 氏(高知大学 理事(教育・国際担当)/AP事業実施本部長)

<モデレータ> 斎藤 真左樹 氏(日本福祉大学 常務理事・副学長・AP事業推進本部副本部長)

・閉会挨拶 高知大学 大学教育創造センター 副センター長 塩崎 俊彦 氏

 

<当日の内容>

本学ではこれまでPROGを中心としたコンピテンシーの評価を行ってきたが、これらの知見を参考にしながら、その育成についてもより一層の工夫をしていく必要があると考えられた。また、今回改めて文部科学省の河本氏より、現在AP事業の中で開発を進めているディプロマ・サプリメントは日本版ディプロマ・サプリメント「学習履歴証明」あるいは「総括的成績評価」などとして扱い、欧州版の学位証書としての扱いとは区別することが確認された。さらに、今回のシンポジウムの特徴的な取り組みとして、パネルディスカッションでは高知大学の学生が登壇してリクルートワークスの豊田氏とともに大学生活の紆余曲折を事例的・懐古的に振り返った。そこでは、学生の充足度が一旦低下した後により大きな向上を果たし、就職活動の成功につながるといった一定の共通項が明らかとなったり、学生の生の声を聞くことで、大学生のキャリア発達を考える上で貴重なお話をうかがうことができた。

前回の東京都市大学のシンポジウムにおいて、PEPA(Pivotal Embedded Performance Assessment)の紹介があったが、今回のシンポジウムでは実際にPEPAを提案された京都大学 高等教育研究開発推進センターの松下氏より、『コンピテンシー vs. コンテンツを越えて』と題してそれに関連する基調講演があった。ご講演では、コンピテンシーの育成と専門知識の教育は二項対立的なものではなく、知識、スキル、態度(資質・能力)まで全て含めた能力として捉えることが一般的になっているとご説明があった。コンピテンシーの育成では、アメリカのように1科目の中で多様な学習形態(反転授業、1週間複数回授業等)を取り入れ、よりコンピテンシーを育成しやすい状況にすることが手段の一つとして挙げられていた。さらに、学期毎にプロジェクト実行とスキル強化を切り替えるProject Based Learningを通した汎用的スキルと専門知識の習得との両立、また、Problem Based Learningといったシナリオ(事例)から仮説を立て、学習課題を設定し、教室外で追加情報を集め、新たな知識と既存の知識を統合した仮説を検証するサイクルを繰り返す手法も挙げられていた。コンピテンシーの評価では、PEPAと呼ばれる、「それぞれの科目の評価の中に埋め込まれた、重要科目における(ルーブリック等を用いた)パフォーマンス評価」が有効であるとのことであった。まずカリキュラムを大きく体系化して、4つなどの時期に分節化して、重要な科目を選んで教員でチームを組んでパフォーマンス評価を行う等、どの重要科目にも形成的評価の機能をもたせること等がポイントとして挙げられていた。

開会にあたり、高知大学学長の櫻井 克年 氏より、産業界からの大学に対する要求は一層高まっているものの、産業人として役に立つ人材のみを育成しているわけではないため、そのことの誤解がないようにしなければならないとお話があった。そのため、産業界の意見も踏まえた上で、大学からもしっかり話をしてゆくということも「大学のコンピテンシー」として重要であると述べられた。また、学生は地域で何が求められ、何が必要で、何をしたらよいかを教員や地域の人からまずは学ぶことが重要であると述べられ、さらに学んだままでなく、どう発揮できるか、実際何に使えるのか、それを自然に考えられるようになることがコンピテンシーではないか、とお話があった。本シンポジウムではコンピテンシーについて激しい議論を戦わし、学生に修得させて世の中に出すためにどのような評価が必要かといったことを大上段から議論してほしいとの挨拶があった。