教員から体育大生へのメッセージ⑧「「習(習い)、錬(実践)、工(工夫、改善)」の繰り返しを大切に!」

本学の学生の皆さん、こんにちは。剣道の授業を担当しています竹中健太郎です。

教員からみなさんへメッセージの発信ということで、私は実技系の教員として、競技力向上という視点で、皆さんへの期待を伝えたいと思います。私の専門は、日本の伝統文化武道の一つ剣道ですが、実は剣術流派で有名な柳生新陰流では、「三磨の位」という教えがあります。「習(習い)、錬(実践)、工(工夫、改善)」の3つの過程を繰り返しながら、上達を目指すという教えです。これは今でいう「PDCA」、つまり実践して、振り返り、改善するという一連のサイクルを繰り返すことです。今の時代に限らず、人は自己の向上、成長をはかる時、この作業を繰り返してきました。大学生になると、3つ目の「工」の部分の充実度が、競技力の向上に大きく関わるものと思います。自ら考えて工夫する力が重要です。今や競技の分野においても科学的な研究が充実していることから、様々な情報が拡散しています。したがって、自らが必要な情報を適切に選択、収集する必要があります。

高校までは、それらの作業をすべてコーチ(先生)が行っていたのかもしれません。しかし、大学で飛躍する選手は自己のコーディネート力が高い選手であることは間違いありません。競技の上達を目指す過程で、このサイクルが確立さえすれば、必然的に「実践的で創造的なリーダー」となるための資質は保証され、社会で必要とされるでしょう。

[スポーツ・武道実践科学系 准教授 竹中健太郎]