教員から体育大生へのメッセージ⑬「興味の赴くままに」

 スポーツトレーニングや陸上競技の授業を担当している永原です.研究では、スプリント走の機序解明、スポーツのパフォーマンス決定因子および向上方略の究明・評価法開発などを行っています.

大学は、知に関する教育、研究、社会貢献を柱とした最高学府です.競技とともに、知に関することでも世界一を目指してはいかがでしょうか.勉強という意味ではありません.自らが取り組んでいるスポーツに関する知についてです.大学は、自由であることを特徴の一つとしています.やりたいことがあれば、信念をもって、興味の赴くままに取り組んでください.他人から批判や否定をされるかもしれませんが、それはどうでもよいことです.責任を負うのは自分です.大抵はうまくいきませんが、初めからわかることではありませんので、気にしてはいけません.何が役に立つか、将来につながるか、見通すことは困難であり、時間は資源として有限です.時間を無駄にせず、自分の直観を信じて、興味のある目の前のことに全力を傾けて気合と根性で取り組んでください.何かを成すにはそれしかありません.注意することは一つだけ、他人と違うことをすることです.

最後に、若者はしばしば能力が低いのに自己評価が高いなどと言われ、それはダニング=クルーガー効果と呼ばれたりします.しかし、私はそれが悪いことだとは思いません.それだけ無謀な事にチャレンジできるということです.ぜひ、興味の赴くままにチャレンジしてみてください.

[スポーツ・武道実践科学系 講師 永原 隆]